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離婚の原因について

法定離婚原因とその他の離婚原因について

協議離婚で離婚する場合、その離婚理由に制限はありませんが、一方が離婚に反対しており、離婚の是非を法定で争う場合には法律に定められた法定離婚原因が必要となります。民法で定められている法定離婚原因は下記の通りです。

● 相手に不貞行為があったとき
● 相手から悪意的に遺棄されたとき
● 相手の生死が3年以上不明であるとき
● 相手が強度の精神業にかかり、回復の見込みが無いとき
● 婚姻の継続が困難な重大な事由があるとき

配偶者の不貞行為・浮気

民法770条では、「その意思にもとづいて配偶者以外の者と肉体関係をもつ場合をさす」と定義されています。どこからが浮気・不倫かというと個人の感覚でかなり差がでてしまうと思いますが、ここで言う裁判上の離婚原因では肉体関係未満は含まれません。又、1回限りの浮気や不倫「不貞行為」は、民法770条 2項の「裁判所は、右にあげた1号から4号までの理由がある時でも、一切の事情をみて、結婚を続けさせた方が良いと考えるときは、離婚の請求を認めないでもよい」との理由から判例では1回限りの「不貞行為」で離婚を認めた例はありません。
これは、「肉体関係未満は浮気・不倫(不貞行為)ではない」「1回限りの浮気・不倫(不貞行為)は許される」というわけではなく、裁判上の離婚原因として認められる「不貞行為」とは「ある程度の継続性のある肉体関係を伴う男女の関係を指す」と裁判所が捉えていると考えられます。離婚の原因が「不貞行為」にあたるかどうかでその後の慰謝料や財産分与の金額に差が出る場合があります。

●不貞行為・浮気の立証責任
裁判での離婚(判決離婚)で争う場合には訴える側(原告)に立証責任があるので、浮気・不倫を行った相手(被告)の「不貞行為」を立証しなければな りません。裁判所が「不貞行為」を認定する際に重要視するのが「性行為の存在を確認ないし推認出来る証拠」になります。裁判所が判断する「性行為の存在を確認ないし推認出来る証拠」のハードルは非常に高いといわれています
●不貞行為の証拠とは
交渉を有利に進める為には、不貞の証拠を確保しておいた方がよいでしょう。最初は相手方も浮気や不倫を認めていても、いざ手続きを進行していくと途中でシラを切る場合もあります。裁判で争う場合には、「性行為の存在を確認ないし推認出来る証拠」と「ある程度の継続性のある肉体関係を伴う男女の関係」を証明できる証拠が必要になってきます。又、不貞を理由に慰謝料を請求する場合には、その「不貞行為」が「婚姻関係を破綻させたかどうか」の因果関係の立証も必要になってきます。「不貞の証拠」が個人で集められる範囲でない場合は、探偵・興信所等の専門家を利用するのもよいでしょう。
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  • 悪意の遺棄

    悪意の遺棄は、民法770条2項により離婚原因あげられています。
    相手が夫婦の共同生活を維持していく事になるのを知りながら(悪意)、その行為を行う(遺棄)と、相手方が離婚を望んでいなくても裁判で離婚できる事になります。

    ――扶養義務違反

    夫婦は同居し、互いに扶助(協力)していかなければならない義務があります。
    生活費をわたさない。健康で病気でもないのに仕事もしないでフラフラしている。収入を全て博打などで使ってしまう。などの行為は扶助義務違反となり、悪意の遺棄を理由に離婚する事ができます。

    ――同居義務違反

    前項と同じで、夫婦は同居し、互いに扶助(協力)していかなければならない義務があります。同居に応じない事は悪意の遺棄にあたりますが、全ての別居を指すわけではありません。同居に応じない内容が問われます。愛人や浮気相手の家から帰ってこない。理由もなく出て行ってしまった。親族との人間関係が煩わしくて出て行ってしまった。等は同居義務違反にあたります。逆に、職務上の長期の出張であるとか、転勤による別居、夫婦関係を見なおす冷却期間としての合意の上での別居。本人、子供の病気療養の為の別居などは一概に同居義務違反とは言えません。

    ●悪意の遺棄で離婚する場合
    悪意の遺棄は裁判上の離婚原因に認められています。悪意の遺棄に認められない場合でも「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められて離婚できる事もあります。どちらにしても裁判で争わなければいけないので、離婚を主張する方に立証責任があるので裁判でその事実を証明しなければなりません。裁判となると訴訟費用もかかりますし、判決が確定するまでに長期間かかる場合もあります。
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    配偶者の生死不明

    配偶者の生死が一定期間不明な場合は裁判離婚をする事が可能です。 民法では「配偶者の生死が3年以上も不明であれば、夫婦関係は実態のないものになっていると考えられ、配偶者に離婚を請求する権利を認めています。 これは配偶者の生死不明が3年以上経った時点で、離婚が成立するものではありません。 配偶者の生死や所在が不明な為、協議離婚は出来ませんから、3年以上の生死不明を理由に裁判を起こして離婚判決をもらうしかありません。 消息不明な配偶者の印鑑を使って離婚届を提出するなどの行為を行なった場合、離婚の無効は勿論、文書偽造行使罪になりますので、手間は掛かりますが、裁判によって離婚してください。 では、それ以内(3年以内)の場合はどうでしょう? 数ヶ月以上3年未満配偶者が行方不明の場合ですと、夫婦間の同居・協力・扶助義務を怠っている事(悪意の遺棄)を理由に離婚裁判をおこす事になります。 この場合、捜索願いを出した事実等の充分な捜索を行なった事の証明が必要になります。

    ●配偶者が死亡した場合
    配偶者が死亡した場合、即離婚となるわけではありません。 戸籍上の婚姻関係は継続していますから、その婚姻関係を解消したい場合、姻族関係終了届けと復氏届けを市・区役所へ提出します。 姻族関係終了届けを提出する事によって死亡配偶者の3親等内の親族とも親族関係を終了させる事ができます。 それにより、親族の遺産の相続権等も消失することになります。 しかし、この姻族関係終了届けを提出されても戸籍は変わりません。 配偶者の戸籍から抜けたい場合や結婚前の姓を名乗りたい場合は復氏届けを提出します。
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    回復の見込みの無い重度の精神病

    配偶者が強度の精神病に掛かり、なおかつ回復の見込みがない場合、民法では裁判離婚の原因としてこれを認めています。 強度の精神病とは夫婦生活の本質的な義務が果たせない状態にあることで、精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準の1級程度の判定が必要かと思われます。 1級の精神障害者ですと、精神疾患の症状として、人格変化、思考障害、妄想、幻覚等の以上体験があり、能力障害の状態では洗面、入浴、更衣、清掃等の身辺の清潔保持が困難な他、金銭管理能力がなくなったり、家族や他者へ適切な意思の伝達ができない、などがあります。病名では、早発性痴呆・麻痺性痴呆・初老期精神病・躁鬱病・偏執病 などです。 配偶者がこのような精神病になってしまった場合、精神病の程度と回復の見込みに関して専門医師の鑑定が必要になります。 また、程度の問題は直ぐにでも判断が可能な要素ですが、回復の見込みに関してはその病状の経過をみて判断する必要がありますので、ある程度の期間が必要です。 それと、精神病になった配偶者の離婚後の生活に関しての見込みや予定が必要になります。 そもそも結婚生活には、お互いの扶助義務が発生しますので、「配偶者が精神病になったからといって扶助義務を放棄していいという事はありません」というのが、判例から見て取れる見解です。ですので、裁判所では精神病を理由に離婚を認める事に前向きな判例は残念ながらありません。

    婚姻を継続し難い重大な事由

    民法770条に規定されている離婚原因のひとつです。夫婦関係が破綻してしまい、その関係が回復される見込みがないと判断された場合に、個々の具体的な事情を裁判所が判断する事になります。夫婦関係が冷めていく理由は、夫婦の数だけあると思います。下記のケース以外でも、現在の夫婦の関係が 破綻してしまっているのならば、破綻主義により離婚が認められる ケースが多いのが現状です。

    ・生活費を渡さない。
    ・定職に就かない。
    ・愛人、浮気相手の家から帰ってこない。
    ・実家から帰ってこない。
    ・行方がわからない。
    ・暴力を振るう(DV)。
    ・性格や価値観の不一致
    ・愛情が冷めてしまった。
    ・セックスレスなどの性の不満。
    ・同性愛や性交不能。
    ・同居の家族との不和。
    ・双方の家族の不和。
    ・宗教や信仰の対立。

    ●破綻主義とは
    破綻主義とは、夫婦の関係が破綻している状態ならば、離婚の原因の責任がどちらにあろうとも離婚を認めるべきではないだろうか?という考え 方です。
    近年の判例をみると離婚の原因そのものよりも、事実上の夫婦の関係が破綻しているならば離婚を成立させる破綻主義に移行している傾向があります。

    配偶者の生死不明

    離婚理由の一位が「性格の不一致」です。全離婚原因のうち男性の60%以上、女性の40%以上の離婚理由が性格の不一致です。
    様々な意味を含む理由であり、便利な理由です。性格の不一致には有責性が存在しませんので、破綻主義的であるともいえます。有責性が存在する離婚の場合、不倫や浮気などの問題が原因として存在していますので、もしかしてその問題さえ乗り越えることができれば離婚にはいたらない可能性も考えられます。
    しかし、性格の不一致は言ってしまえば「ウマが合わない」という表現に近いので、どうしようもない、仕方が無いという事になります。ですので、対面上便利です。
    ですから多くのカップルが性格の不一致を理由とし、離婚しているという背景もあります。
    ただ、性格の不一致という理由でパートナーに一方的に離婚を突きつけても合意されない可能性は充分あります。(協議離婚で処理できない場合)
    その場合は調停(家庭裁判所)で話し合いの場を持つ事になりますが、話し合いの中でも「性格の不一致」だけでは解決しませんから、何が異なるのか?どんな点を愛せないのか?また、相手にその点の改善を求める事は出来ないのか?など、きちんと考えなおす必要があるでしょう。

    配偶者の生死不明

    夫や恋人、同居している男性などの親密な関係にある男性から女性への暴力、虐待を総称して DV(ドメスティックバイオレンス、Domestic Violence)と呼びます。ここでいう暴力、虐待の定義は殴る蹴るなどの肉体的な暴力の他に、「無視する」などに始まる精神的に圧迫を加えるような行為もDV(ドメスティックバイオレンス)に含まれます。

    ●肉体的暴力
    殴る蹴るなどの身体に傷を負わせる行為。物を投げたりも含まれます。
    ●心理的、精神的な暴力
    女性に対しての悪口、暴言。欠点を指摘する。辱しめたり、罪悪感を抱かせるような発言をする事もDVもといえます。
    ●社会的隔離(孤立させられてしまう)
    携帯電話やパソコンなどを持たせてもらえないなど女性の行動を管理したり、外出の制限をしたりして女性を外部や情報などから遮断して社会的に隔離してしまう事もDVになります。
    ●強要、脅迫、威嚇
    言動や態度で怯えさせる。「出て行け」「犯すぞ」「別れるぞ」などと脅す。本人が大切にしている物を壊したり、ペットや子供などを虐待する。違法行為を強要するなどがこれにあたります。
    ● 性的暴力
    性交を強要される、拒むと殴られる。避妊に協力してくれない。などは、性的暴力になりりっぱなDVになります。
    ● 経済的暴力
    夫が家計を管理していて、生活費を渡さない、収入の金額や財産の状況について何も知らせない。などもDVに含まれます。
    ● 子供を利用した暴力
    子供を利用して女性を攻撃する発言を行うようにしむけたり、子供の前で女性にを非難したり中傷するなど、子供を利用したいやがらせもDVに含まれます。
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    異性関係

    協議離婚原因上位の異性関係は不貞行為や不倫を含んでいます。また、協議離婚のレベルですと、交友関係も含めた異性関係と表現されており、必ずしも不貞が認められているということではないようです。

    配偶者の生死不明

    借金や生活費の問題は協議離婚のケースでは離婚の理由として上位に入っていますが、法定離婚原因には含まれていません。
    これを婚姻を継続しがたい重大な事由があるときとして離婚 裁判をおこす場合、配偶者の借金が、夫婦の生活が成り立たない程の金額であったり、その取立の厳しさから社会生活が困難な状況に陥ってしまったというケースが考えられます。このような状況でしたら婚姻を継続しがたい重大な事由があるときとして法定離婚原因が認められるかと思います。その後離婚が成立した場合、元配偶者が作った借金の返済義務が発生するかどうか?という点も重要です。
    その場合、借金をした理由が重要となります。
    生活をする為に必要だった借金 (日常家事債務:日用品や食料品の購入に必要になった借金)であれば 財産分与として配偶者にも支払いの義務が発生しますが、生活に関係していない借金は配偶者の支払い義務はありません。ただし、自分が連帯保証人や共同名義で借金をしている場合は支払い義務が発生します。また、現代では借金が容易に出来るようになりましたので、パートナーが知らない間に多額の借金を作ってしまっているというケースもあります。
    あなたのパートナーにすでにその傾向が見られる場合は各都道府県の貸金業協会に対して貸出停止依頼をするなどの措置を行なって下さい。

    ●配偶者が破産した場合
    配偶者の破産も法定離婚原因には含まれていません。ですので、配偶者の破産を原因に離婚裁判を行なっても離婚の理由としては認められません。
    破産している状態と比較すると多額の借金を背負っている状態にある方が、一般的には社会生活は困難だと言われています。
    自己破産の申し立てをする以前の自宅や勤務先への取立行為は違法ではありませんので非常に厳しい取立を行なわれる可能性があります。
    自己破産後は数年間ローンやクレジットが組めませんが、自己破産を申し立てた時点以降、債権者の取立行為は全て禁止されていますので、社会生活を送るのは自己破産後の方が楽になるかもしれません。
    ●自己破産のメリット
    ・一切の返済の必要がない
    ・裁判所への出頭は一度だけ
    ・自己破産後の収入はそのまま
    ●自己破産のデメリット
    ・官報へ氏名・住所が掲載される
    ・住所の移転は裁判所の許可が必要
    ・自分名義の価値ある不動産は債務者に売却される
    ・本籍地の市区町村の破産者名簿に記載される
    ・職業・資格に制限がある
    ・破産管財人がつく場合には、管財人に郵便物が配達される
    ・自分名義の借金やローンは5〜7年間はできない